団地妻・愛染恭子 かまきり熟女

2013年公開


◆スタッフ◆

製作………………シネマアーク

提供…………XcesFilm

脚本……………北沢幸雄

1993『愛染恭子昼下りの情事』より

監督……………北沢幸雄

撮影……………三原好男

照明……………隅田浩行

録音……………シネ・キャビン

編集……………北沢幸雄

助監督……………増野琢磨

スチール……………佐藤初太郎

現像……………東映ラボテック


◆キャスト◆

佐伯涼子…………愛染恭子

今野久美子…………小川真実

小出麻里…………草原すみれ

山村信也…………杉本まこと

佐伯亨…………白都翔一

客A…………山科薫

客B…………石神一

郷戸政彦…………久保新二


◆解説◆
あのロマンポルノの名作、白川和子主演『団地妻昼下りの情事』をはるかに凌ぐ名作をエクセスが結実した。

主演に愛染恭子を招き、そしで監督には実力派の北沢幸雄が男達との刹那的な『情事』によって仮面を剥がされていく人妻を淡々と描いた秀作に仕上げた。

性的不能である夫との、決して結ばれない受け身のセックス…が情夫達とのセックスでは騎上位で男を吸いつくす貪欲な女。

そんな男達の間で何かが変わったヒロイン愛染恭子の選んだ道は…。

何といっても愛染恭子なくしてこの映画は、成立しなかったと言い切れる程の素晴らしさ。

彼女の抑えた日常の演技と、足の先までエクスタシーが流れ込んだ様なセックスシーンが、絶妙なコントラストで見るものを一瞬のうちに同化させる。

共演には、ロマンポルノでも活躍し「女の色気」とは彼女の為にあるような小川真実。

最近では、「えすいえっくす」という過激お色気漫才コンビでテレビでも活躍している。

そしてもう一人は、草原すみれ。幼少の頃から続けているモダンバレエで優勝したこともあり、天性の体の柔らかさでアクロバチックな体位で人気の彼女である。

こんな豪華キャストでお贈りするエクセスロマン大作をご期待下さい!


◆ストーリー◆

掃除機をかけているといきなり背後から抱きすくめられた。大声を出す間もなく大きな手で口をふさがれ、その場に涼子は押し倒された。泣き叫び、必死に抵抗する涼子。男の荒い息が間近に迫ったと思うと、一気に怒張した堅いものでつらぬかれた。鳴咽が次第に熟い吐息に変わって行った。佐伯涼子はうなされて眼を覚ました。隣には夫の亨が軽い寝息をたてている。午前2時。近頃よく見る夢、それは見知らぬ男に犯される夢であった。涼子は熱く濡れた秘部にそっと指を忍ばせた。夫との性交渉がなくなってからどのくらいの日々が経つだろう…。もともと夫、亨はセックスの強いほうではなかった。それでも涼子はある程度の満足をしていた。それは涼子自身本当のセックスの喜びを知らなかったからにほかならない。それが喜びを知り身体が自然に求めるようになった頃、次第に回数が少なくなり、ついにここ数カ月の内、何度かの交渉は総て失敗してしまっていた。焦った亨は精力剤や薬を試したり、医者にまで相談したのだが、回復しなかった。現代人特有のストレスが原因と思われるインポテンツ。それが精神科医の診断だった。

金曜日の昼下がり、涼子は鏡台に向かい念入りに化粧をしていた。こんな化粧をしたのは何日振りだろう、涼子は決意したように立ち上がった。

雑踏に揉まれるように佇み、涼子は人待ち顔で立っている男を盗み見ていた。男は指定した通りに目印の週刊誌を小協に抱えている。どこにでもいそうなサラリーマン風のその男と、涼子は先日ダイヤルQ2の電話で合う約束をしていたのだ。だが待ち合わせのこの場所に来て、決心が揺らいでいた。やはり夫を裏切ることは出来ない。

涼子はあてもなく街を彷徨ったあげく古い友人、今野久美子の経営するスナックを訪ねた。

その夜、遅く帰宅した涼子を亨は激しくなじった。不能に陥って以来、亨は急に嫉妬深くなっていた。涼子は夫の怒りが治まるのをじっと耐えた。

そんな頃、久美子は店の常連、郷戸政彦の愛撫に、のけ反り喘いでいた。郷戸は久美子のパトロンでもあり、裏の商売の上客でもあった。裏の商売…実は久美子は常連の客にプールしている女を世話して、マージンを稼いでいたのだ。郷戸は久美子に、店で合った涼子を世話して欲しい、とせがんでいた。

翌日、涼子は久美子からの電話を受けた。涼子は喜んで、久美子の呼び出しに応じた。「あなた夫婦生活うまく行ってないんじゃない?」図星をつかれた涼子は言葉に詰まった。「人生短いのよ、楽しんだ方が得だと思うけどな」と笑顔を作る久美子に、涼子の心は千々に乱れた。

小出麻里は久美子の指示に従いホテルへ向かっていた。麻里は客とのセックスをアルバイト、と割り切って楽しんでいた。最初のうちこそ亭主に後ろめたさを感じたが、慣れてしまえば何も感じなくなっていた。今日の客は強い前男で、一度となく二度三度と求めて来た。麻里は何度も達しながら、敏感に反応していた。昼下がりのシティーホテル。涼子は肉体の乾きに負けて久美子の誘いを受けてしまっていた。山村の優しい愛撫とテクニックに涼子は敏感に反応した。そしてその身体は堰を切ったように燃えた。喜びに震える涼子の美しい肢体は、百戦練磨の山村さえ魅せられるほどだった。山村は涼子を抱いたその日に、自分の愛人になってくれ、と望んだ。だが涼子がそれを承知するはずがない。涼子の存在は久美子の店の常連たちの間でたちまち評判になっていった。喜んだ久美子は次々に客をつけた。涼子はまるでその客たちの精気を吸い取るように、以前にも増して美しくなって行くのである。

そんな或る夜、亨が涼子を求めた。涼子の変化を敏感に感じ取っていた亨は、その理由を問い詰めながら、涼子を愛撫するのだった。「誰か好きな男でも出来たのか」涼子は勿論否定する。否定しながらも涼子の身体は男を求め、潤み始めていた。涼子は我慢出来ずに、亨の股間をその唇で愛撫した。だがやはり亨のものは不能のまま。亨は鳴咽を漏らし、その悔しさをぶつけるように涼子の濡れた秘部にむしゃぶりついた。そんなの亨の背を涼子はまるで幼児をあやすように、撫でさするのだった。

久美子の秘密の手帳から涼子の連絡先を盗み出した山村は、直接涼子へ連絡を取った。そして驚く涼子にもう一度だけ合ってくれ、と告げた。「久美子とは別れる、あんたも不能の亭主と別れて、俺と別な街で暮らさないか」山村の言葉に涼子は戸惑った。その夜、亨は涼子を求めた。しかも不能を自ら自覚したのか、性器具を使いだしたのだ。夫を裏切っている、という負い目ある涼子はただ耐えるしかなかった。

山村は久美子と別れて旅立つことを決心していた。そしてそれを涼子に伝えた。

涼子は迷った、新しい生活に踏み切るべきか。夫との生活は決して楽しいものではない。涼子と亨を結び付けているものは、鈍い唸り声を上げる性器具だけになっていた。亨は涼子を引き留めておくのはそれだけだ、というように執拗に責めた。亨を哀れむかのように涼子は耐え続けていた。

出発の夜、待ち合わせ場所についに涼子は現れなかった。山村は独り旅に出た。

数日後、雑踏に揉まれるように涼子が佇んでいた。その視線の先には目印の週間誌を抱えた男が立っていた。涼子の脳裏に、これまでの客たちとのセックスが蘇った。涼子は潤んだ瞳を上げ、男に向かって歩き始めた。