◆スタッフ◆
製作:シネマアーク/提供:Xces Film/脚本:本調有香/監督:瀧島弘義 1997「人妻銀行員 不倫密会」より/撮影:村川聡/照明:多摩三郎/録音:シネキャビン/編集:酒井正次/音楽:斉藤藤慎一/スチール:本田あきら/助監督:久万真路/ヘアメイク:木村富貴子/現像:東映ラボテック
◆キャスト◆
トモコ:井上知子/アキコ:岸加奈子/恵:吉行由実/ケン:川屋せっちん/タカヒロ:森羅万象/サトシ:臼井星絢/オフィスの社長:国枝量平
◆解説◆
今回の淫乱シリーズでは、バブルの絶頂期にはブイブイ言わせ、今も何かと世間を騒がせてくれる銀行員を選んだ。お堅いイメージがある職業だった…が、 それは大昔の事のように思える。
以前エクセスでの淫乱職業シリーズに、『生保の女』があったのは皆様の記憶に新しいとは思うが、体を餌に契約を取るのではなく今回はというと、家のローンのために訪問した先々で不倫密会!体を張っての横領劇、その口止めにレズも強要されてしまう。そこがエクセス!涙なくして語れません。実際、事件にでもなればワイドショーを賑わす絶好のネタになり、物凄いタイトルが一面を飾るに違いない。とにかく体が命の彼女達は、体が基本、健康が一番!などとほざいている世のお父さんとは訳が違う。使い道がはるかに違うのだ。何もそこまでと思う方も多いとは思うが、女の最大の武器は〈カ・ラ・ダ)なのだから『ドンドン使ってヤリまくれ』とでもエールを送ってあげよう。全く澄ました顔をしているが、何処か男を誘惑するかのような視線と尻を振りながら歩く姿はイヤらしい。女は男以上にスケベだ!
主演には制服がとても似合う色白で清楚な顔立ちに、想像も出来ぬほどの豊満ボディーが印象的な井上知子。オフィスに居ればセクハラしてみたいOLナンバー1に輝ける、そんな彼女が体を張って横領に走る人妻銀行員に怪しげな魅力で迫ります!
監督には、これが初監督とは思えないほどノリにノってる期待の新人瀧島弘義がお届けします。
◆ストーリー◆
トモコは一晩中、眠れなかった。目覚ましが鳴ると夫の体が動いた。布団にもぐりこんで触ると、夫もそれは元気だ。トモコは下着を脱いで夫にまたがる。夫が目をあけて、時間がないよとつぶやく。トモコはゆっくりと腰を動かしながら目覚ましを早くかけた事を白状する。
トモコは支度をして、二人で朝食を軽く食べる。夫が金の催促をする。一軒家を買って、そのローンが払い切れない。お互い何とかなると思っていた。トモコは銀行員、主に外回りをしている。でも、成績は芳ばしくない。二人で金の相談をするが、いつもの様にあたしが何とかすると言ってしまう。
銀行へ出社し、今日の予定を確認する。先輩の恵がトモコをじっと見ている。トモコはその視線を避けるように、銀行を出る。恵には色んな事を教えてもらった。仕事のやり方、人とのつきあい方、そして金のつくり方…。
トモコは、外回りの仕事を終えて銀行に帰った。そこには、残業中の恵一人が残っていた。恵に後から抱かれ、唇を押しつけられた。トモコはこうされるのが弱かった。「久しぶりじゃない」と、恵の両手が後からトモコの乳房を弄ぶ。「もうすぐ私、辞めるのよ」と囁く。「なぜならヤバイから…」
客を信用させる事、信用させる為には女の部分を使う事、客は何でもしてやれば通帳の印鑑も預けてくれる。客の口座から別の口座に移す、少しずつ。万一、客に気付かれても女の部分を使った事を楯にとれば、客を黙らせる事ができる。そしてトモコは、口座に移した金を半分、恵に渡し残りを家のローンに充てているのであった。でもそんなうまい話が続く筈もない。来月には、新しい店長が赴任してくるのだ。
翌日、電車に乗りながらトモコは外を見ていた。嫌な客と合わなきゃならない。嫌な客ってのは、トモコの女の部分を要求する客だ。トモコは目的地の駅、一つ前で降りた。
彼女は、学生時代の元恋人ケンの家を訪ねた。三年ぶりだった。そこそこ仲良くやっていたのに、トモコは急にケンを避けるようになった。そのままトモコにケンが振り回される形で卒業を迎えたのであった。そして、彼女は親のコネで銀行の総合職として就職しケンは祖母がやっていた小さなおもちゃ屋を継いでいた。何だか変な感じだった。昔の恋人同士、ましてや嫌いで別れた二人でもないのだから。会話がうまく出来ない。突然、トモコはケンの背中にしがみついた。トモコとケンは三年間の時間を取り戻すように激しく求め合う。しかし、何かが変わった。ただ一つ、違ったのはトモコが大きな声を出す事。
翌日、ケンが店に行くとメモが挟まれていた。「明日10時」の伝言だった。
10時にケンは指定されたホテルヘ行く。人妻アキコは、先に来ていた。そして部屋を暗くして待っていた。ケンはシャワーを浴びて、アキコの待つベットに潜り込む。アキコは裸の体を見られるのを嫌がる。ケンよりひとまわりも年上の体に自信がないのだ。真っ暗の中ケンはアキコを抱く。ケンはついトモコの体と比べてしまう。全てが終わるとアキコは一万円札を何枚か取り出す、そして受け取る。アキコとケンの出会いは、アキコの息子が店のおもちゃを万引きした事だった。
トモコは昼間、ちょくちょくケンの部屋に来るようになった。そのたびに二人は寝た。トモコの帰りに合わせて、ケンも部屋を出た。駅までの道を二人で歩く。トモコがケンの手を握る。こうしていると何でもない男と女のようだった。その時、前方からアキコが歩いて来るのに気付いた。ケンはとっさにトモコの手を振り払う。アキコはケンが気付くずっと前から気が付いていたみたいだった。でもケンは知らない顔してすれ違う。トモコは何かを感じているはずだ。アキコはすれ違ってから振り返りケンに追いつく。「店にメモ置いてきたんだけど、どうせ会ったんだから言っておくわ。明日、いつもの所で待ってる」そう言い残して行ってしまった。アキコは一度もトモコの顔を見なかった。
それからしばらく、トモコはケンの前に現われなかった。
ある夜中、ケンの部屋のドアを誰かがノックした。ケンはトモコだと思った。が、それは、学生時代の友人サトシだった。二人は少し酒を飲みだし、昔話をした。サトシはトモコの噂話を始めた。トモコは学生時代の仲間の男、みんなと個人的に会って寝ていると言うのだ。
ある日、風邪をひいて寝込んでいるトモコはケンに電話をかける。ダンナも出張でいなくて食べられる物も何もない。来て欲しいとトモコは言う。ケンは 迷った。だが結局、行ってしまう。病気なんだからと言い訳して…そして、トモコを抱く為に。
トモコは二度とケンの部屋に来なくなった。
めずらしく閉店まぎわにアキコが店にやって来た。子供にオモチヤを選んで欲しいと言うのだ。ケンが選んでレジで包装しているとアキコはレジの内側へまわり込み、しゃがみ込んだ。ズボンのジッパーを下げて顔を近づけた。店の外からレジの内側は見えない。ケンの下半身はアキコのロに含まれた。「ダンナさんにもこういう事するの?」アキコの口の動きが止まった。いきなりケンは、乱暴にアキコを犯そうとする。「お願い。裸を見ないで」懇願するアキコの手をつかみ上げて、アキコと重なるケン。すすり泣くアキコ。
淋しい。トモコに会いたかった。ケンは公衆電話からトモコの家に電話をかけ、自分の名前を告げる。すると事務的な、顧客に対するような受け答えが返って来るのだった。ケンはトモコに会いたい気持ちを延々と喋る。「…有難う御座います。では、明日御伺いします」そう言って電話は切れた。
翌日、ケンは待った。でもトモコは来なかった。
その頃、銀行の裏口から刑事に両脇を抱えられて出ていく恵。ある無人駅、トモコはベンチに座っている。いきなり、鞄の中の一万円札を飛行機に折って飛ばしている。一枚、二枚…方向が定まらずバラバラに散っていく飛行機『男』たち。
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