◆スタッフ◆

製作:フィルムハウス/提供:Xces Film/監督:佐々木乃武良 2005「三十路浴衣妻 からみつく」より/脚本:奥渉/撮影:創優和/照明:野田友行/編集:フィルムクラフ/ト/録音:シネキャビン/助監督:奥渉/スチール:本田あきら/現像:東映化学

◆キャスト◆

漆原澄子:結城マリア/皆川美子:ゆき/佐伯美穂:葉月螢/漆原康彦:坂入正三/皆川明:千葉誠樹/江原敏雄:なかみつせいじ

◆解説◆

最近の浴衣は多種多様。ミニ浴衣なるモノもあるらしいが、ミニなんか浴衣じゃない!と、以外にも反対派が多い。その理由は、チラリズムが男心を刺激するのに、あれじゃあ色気が無い!とのことだ。

 ならば、しっとりと浴衣の似合うお年頃、三十路の女に浴衣を着せて存分とお楽しみいただきたい!襟元から覗くはち切れそうな胸元が、裾から覗く足首が・・・。浴衣の中身のその奥は?と、我々の想像力を限界まで引き出してくれる!

 今回、三十路の浴衣妻役に結城マリア。女優片平なぎさ似のいい女!メリハリのある顔と躰が和と狂宴。ミスマッチなコンビネーションが絶妙な味を醸し出す。

 監督は久しぶりの佐々木乃武良。艶っぽく、しっとりと仕上げた『三十路浴衣妻 からみつく』乞ご期待!!  

◆ストーリー◆

 手荷物ひとつ下げ、古びた家にやって来る漆原夫婦。経営していた会社が倒産し、住む所も失って、妻・澄子の実家に転がり込んできたのだった。

 実家は、澄子の母が亡くなって以来、空家になっており、さっそく掃除に精を出す澄子。気力を失っている康彦は、ただ煙草を吹かしてボンヤリしている。

「きっと夫は再起してくれる」そう願いつつ、夫をいたわる澄子。タンスにそのまま残ってた昔の浴衣に淡い青春の思い出が蘇る。

 たびたび差し入れを持って、澄子の家に遊びに来る美子と夫の明。二人とも高校時代の友人だ。懐かしい浴衣姿の澄子との再会に、眩しげな日の明。高校時代、澄子と美子は、部活の先輩だった明に憧れており、積極的な美子が明と結婚したのだった。そんな昔話に盛り上がる3人に、興味がない康彦。早々に寝床に入る。挫折して無気力な夫に、悲しむ澄子を心配して励ます明と美子。二人に慰められつつも、その仲の良さに羨ましい思いの澄子。

 生活の為に、働き口を探す澄子。美子の勤める会社でパートの空きが出て、一緒に勤める事になる。これまで専業主婦だった澄子は、なれない仕事に悪戦苦闘しながらも、夫の為に頑張る。そんな澄子の身体をいやらしく見つめる社長の江原敏雄。

 ひとりボンヤリしている康彦の前に現れる佐伯美穂。潰した会社の元OLで、愛人だった女である。康彦が忘れられずに、探してきたのだった。もう終わったんだからと追い返そうとする康彦に、身体ごとぶつかって、愛を訴える美穂。

つい康彦はセックスしてしまう。

 澄子に気を使って、何かと世話をしてくれる明。もともと初恋の人だけに、密かにドキドキする澄子。夫ではなく、明を選んでいたら…。だが、今は美子の夫だ。邪念を追い払う澄子。

 パート先で偶然、江原と美子の不倫現場を目撃してしまう澄子。明を裏切っている美子に不快感を覚える澄子。明に事実を告げるべきか、思い悔む。

 休日。思い出の学校を訪ねる澄子と明。懐かしい青春時代を思い返し、戯れる2人。そこで明が、美子の浮気を打ち明けてきて驚く澄子。「もう俺たち夫婦は終わってるんだ」明の呟きに二重に驚く澄子。

 遠雷の響きを聞きながら、明に抱かれる澄子。甘美な時に身を任せる。だがやはり、美子から明を奪うわけにはいかない。もう二度と明とは逢わない決意を抱く澄子。

 ところが、家に帰ってきた澄子が見たのは、美穂と抱き合う康彦の姿であった。飛び出していく澄子に、愕然とする康彦。美穂を叩き出し、澄子を追いかける。

 行く当ても無いまま、歩く澄子を見答める江原。断る澄子を無理やり会社に連れ込んで犯す。江原に抱かれる中で、もうどうにでも良くなってしまう澄子。明とは違ったセックスの悦楽に何かが吹っ切れる。

 ぼんやりと家に戻ってきてしまう澄子。そこには美子が待っていた。明と康彦は探しに出ているという。お互い胸にわだかまりを抱きつつ、無言の時が流れる。やがて、江原に犯され、それ以来肉体関係を持ってると告白しだす美子。

「いやらしいスケベ社長に抱かれるのは嫌。でも明への復讐だと思って、関係を持ってるの。知ってた?明は私と結婚してからも、ずっとあなたの事を思い焦がれていたのよ」澄子の反応を見守る美子。だが予想に反して苦笑する澄子。

「復讐だなんておかしいわ。正直に他の男とセックスを楽しんでるって言えば」澄子の皮肉に怒り、出て行く美子。

 改心して、新しく人生をやり直すと、澄子に誓う康彦。二度と浮気しないで、真面目に働くことを約束させて、夫を許す澄子。久しぶりに夫婦の交合に、積極的に悦楽を貪る。怪訝な康彦に、生まれ変わってやり直しましょうと妖艶に微笑む澄子。心の中に遠雷が響き渡る。



ゆき


葉月螢


結城マリア


結城マリア